歯石の種類
歯石は歯肉縁上歯石(しにくえんじょうしせき)と歯肉縁下歯石(しにくえんかしせき)に分類されます。
歯茎より上にできる歯石は歯肉縁上歯石、歯茎より下にできる歯石は歯肉縁下歯石と呼びます。それぞれ特徴に違いがあります。
歯肉縁上歯石(歯茎の境目より上にできる)
歯肉の上にあり、歯垢(プラーク)と唾液中の成分のカルシウムやリンが結合し形成された白色または黄色の歯石です。わずか2日間で歯垢が石灰化し始め歯石になっていきます。
歯石になるとブラッシングでは取り除く事ができないため、ハンドスケーラーや超音波スケーラーと呼ばれる歯科用の器具を用いて除去します。
- 黄白色または灰白色
- 唾液の成分によって石灰化する
- 歯肉縁下歯石より量が多く形成が早い
- 歯肉縁下歯石より柔らかく除去しやすい
- 歯肉炎の原因になる
歯肉縁下歯石(歯肉より下にできる)
歯肉縁下歯石は、歯と歯肉の間の溝(歯周ポケット)に面した歯面に付着した歯石です。
歯肉縁上歯石に比べると、硬く強固に歯面に付いているため除去が非常に困難になります。
歯肉縁下歯石は、SRPという処置で歯石を除去します。これは歯石を取るほか、歯周病菌に汚染された歯面の感染組織も除去して表面を滑沢にします。
SRPを行っても歯肉の状態が改善されない場合は歯周外科手術が行われます。歯周外科手術は歯肉を切開し、歯周ポケットの奥深くにある歯石を目で見て直接取り除く治療法なので、歯石を徹底的に取り除くことが可能です。
- 黒褐色
- 縁上歯石より量は多くない
- 縁上歯石よりかなり硬く、除去が難しい。
- 歯周病の原因になる
縁下歯石を放置すると歯周病リスクもUP
縁下歯石の中にはたくさんの細菌が住んでいるので、付着すると歯肉の炎症が酷くなり、縁下歯石とその中に住む大量の細菌が歯周病の一番の原因で、縁下歯石が溜まると歯垢(プラーク)が付着しやすくなるので更に縁下歯石が溜まり、歯周ポケットもどんどん深くなります。
深くなった歯周ポケット内のたくさんの細菌は、歯肉に炎症を起こすだけでなく、やがては歯を支える大事な土台である歯槽骨まで溶かしてしまいます。
歯槽骨が溶けてしまうと歯の支えが弱くなってしまうので、支えを失った歯はグラグラと動揺するようになり、最終的には自然に抜け落ちてしまいます。
縁下歯石をそのままにしておくと歯周病はどんどん進行してしまうため、軽度の段階で除去しておきましょう。